子育てしながらエンジニアしたい

現在 7 歳 女の子の子育て中エンジニアによる、技術系 + 日常系ブログ。

Chrome で ctrl2cap が動作しない不具合の解決

普段、ctrl2cap というソフトウェアを使用して、Caps Lock を Ctrl として動作させています。

learn.microsoft.com

いつからだったか、これが Chrome でうまく動作しなくなりました。
Ctrl キーはそのまま動作するのに、Caps Lock だとおかしな挙動になるのです。
通常のブラウジングだけならまだしも、Jupyter でも同じようになるので、だいぶ困っていました。

いろいろ調べてみたところ、ようやく原因がわかりました。
どうもセキュリティソフトの ESET が悪さをしていたようです。

解決策というか回避策としては、ESET の設定 -> セキュリティツール から、
「すべてのブラウザーを保護」を OFF にするしかないようです。

これでかなりの苦痛から開放されました。
他にも困っている人がいたんだなと実感。。

okbizcs.okwave.jp

WSL で Docker on GPU (Windows 11)

WSL はとても便利で素敵です。
Docker は Deep Learning フレームワークを使う上で、CUDA ごと面倒を見てくれるので、とても便利で素敵です。

そんな素敵な 2 つを一緒に使えたら...

できるんです。
Windows 10 では Insider プログラムに入らないと使えなかったらしいのですが、
Windows 11 では、標準でできるんです。

それまで Windows 11 に入れ替える気などさらさらなかったのですが、その情報を見て一気に気持ちがぐらつきました。

や・・・やるしかない・・・

Windows 11 へのアップグレード

Windows Update を開いてみると、とてもありがたいお言葉が書かれておりました。

おめでとうございます

「おめでとうございます。この PC で Windows 11 を実行できます。」

これまでこの文言を見ても、ただアップデートさせたいだけでしょ、としか感じていなかったのですが、私は心を入れ替えました。
素直に「ありがとうございます」と言えるように改心したのです。

ありがたいお言葉に従い、アップグレードをいたしました。

新しいタスクバー

Windows 11 様、無事に来てくれました。
新しいタスクバーとか、まじいらねぇ 本当に最高です。
ありがとうございます。

wt.exe が見つかりません

これまでは Windows キー + x -> i を押して PowerShell を起動していました。
同様にやろうとしたら、Windows キー + x を押した時点で、PowerShell という項目がなく、かわりに Windows ターミナルになっています。

Windows キー + X

ここで i を押したら、

wt.exe が見つかりません

おい...
ショートカットキーがあるのに本体がないのかよ...

対処法は Microsoftストアで Windows ターミナルを落とすということでした。
以下は参考

bepokuma.com

WSL のインストール & アップグレード

さてここからが本題です。
Windows ターミナルを開き、まだ WSL が入っていない場合は wsl --install をします。
私の場合はすでに WSL は入っていますが、念のため以下のコマンドでアップグレードすることにしました。

wsl --update

Docker のインストール

まず WSL を立ち上げます。(私の場合は Ubuntu 20.04)

wsl -d Ubuntu-20.04

ここからは WSL の Ubuntu ターミナルで操作します。
まずは Docker をインストールします。
便利なスクリプトがあるようなので活用します。

$ curl -fsSL https://get.docker.com -o get-docker.sh
$ sudo sh get-docker.sh

このとき

WSL DETECTED: We recommend using Docker Desktop for Windows.
Please get Docker Desktop from https://www.docker.com/products/docker-desktop

という警告が出ますが、無視して進めて良いようです。

docs.docker.com

最後にユーザー権限で Docker を起動できるようにしておきます。

$ sudo usermod -aG docker $USER

NVIDIA Container Toolkit のインストール

次に、Docker で GPU を使えるようにするための NVIDIA Container Toolkit をダウンロードします。
公式サイトの手順に従うだけですが、一応やったコマンドを書いておきます。

docs.nvidia.com

$ distribution=$(. /etc/os-release;echo $ID$VERSION_ID)
$ curl -s -L https://nvidia.github.io/nvidia-docker/gpgkey | sudo apt-key add -
$ curl -s -L https://nvidia.github.io/nvidia-docker/$distribution/nvidia-docker.list | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/nvidia-docker.list
$ sudo apt-get update && sudo apt-get install -y nvidia-container-toolkit
$ sudo service docker stop
$ sudo service docker start

いざ Docker on GPU を試す

いよいよこのときがきました。
試しに NGC にある PyTorch のイメージを試してみました。

catalog.ngc.nvidia.com

$ docker pull nvcr.io/nvidia/pytorch:21.10-py3
$ docker run --gpus all -it --rm --shm-size=8g nvcr.io/nvidia/pytorch:21.10-py3

無事に Docker が起動したので、nvidia-smi を試してみます。
公式ページにも書かれていますが、すべての query には対応していないようです。

# nvidia-smi
Thu Jun  9 07:24:56 2022
+-----------------------------------------------------------------------------+
| NVIDIA-SMI 510.68.02    Driver Version: 512.95       CUDA Version: 11.6     |
|-------------------------------+----------------------+----------------------+
| GPU  Name        Persistence-M| Bus-Id        Disp.A | Volatile Uncorr. ECC |
| Fan  Temp  Perf  Pwr:Usage/Cap|         Memory-Usage | GPU-Util  Compute M. |
|                               |                      |               MIG M. |
|===============================+======================+======================|
|   0  NVIDIA GeForce ...  On   | 00000000:01:00.0 Off |                  N/A |
| N/A   44C    P8    14W /  N/A |      0MiB /  8192MiB |      0%      Default |
|                               |                      |                  N/A |
+-------------------------------+----------------------+----------------------+

+-----------------------------------------------------------------------------+
| Processes:                                                                  |
|  GPU   GI   CI        PID   Type   Process name                  GPU Memory |
|        ID   ID                                                   Usage      |
|=============================================================================|
|  No running processes found                                                 |
+-----------------------------------------------------------------------------+

docs.nvidia.com

もうひとつ試しに、PyTorch から GPU が見えるか試してみました。

# python3
Python 3.8.12 | packaged by conda-forge | (default, Sep 29 2021, 19:52:28)
[GCC 9.4.0] on linux
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> import torch
>>> print(torch.cuda.is_available())
True
>>>

おお...
ちゃんと見えている...

Windows 11 さん、ありがとうございました。

WslRegisterDistribution failed with error: 0x80070490 が解決した

WSL、便利ですよね。
そんな WSL が、あるときからエラーで動かなくなりました。
おかしいなと思い、WSL 環境を再インストール。

あらためて Ubuntu を入れ直すと、下のエラーが出て Ubuntu の起動すらできなくなってしまいました。

error 0x80070490

GitHub の WSL のページで Issue を見ると、他にも若干ですが同じことで困っている人がいました。

github.com

内容を見てみると、Windows アップデートが怪しいとか、いろんな記述がありました。
でも結局は Windows を入れ直すしかなかった、といったような不吉な記述もあり...
そこまではやりたくなかったので、効果的な解決策を待つこと約半年。

あらためて Issue を覗いてみると、解決方法そのものは書いていなかったのですが、どうやらネットワークドライバーまわりが怪しそうなことに気づきました。
あまり覚えていなかったのですが、よく考えてみると、半年前くらいに仕事で USB3 の産業用カメラのドライバーをインストールしたときに、誤って同時に GigE のドライバーも入れてしまったことがありました。
そのときはネットワークにつながらなくなり、おいおいと思ったのですが、イーサネットのプロパティでチェックを外せばネットワークが使えたので、それでよしとしていました。
ただ GigE ドライバーそのものは残っていました。

ふとそれを思い出し、GigE ドライバーを「削除」してみました。
(削除前のスクショは取り忘れたので、削除後ですが...)

イーサネットのプロパティ

そうしたら WSL が復活...
まじかよ...

というわけで、あんまりいないとは思いますが、WSL が動かなくなって困っている方は、ネットワークドライバーを見ると良いことがあるかもしれません。


ちなみに 2022/06/09 時点で、GitHub の Issue では、効果的な Workaround として以下のようなことが書かれていました。
私は試していませんが、ご紹介だけしておきます。

github.com

  1. I uninstalled the distros using the command > wsl --unregister
  2. I uninstalled Docker
  3. I uninstalled Hyper-V
  4. After restarting the computer, I used the command > wsl --set-default-version 2
  5. I reinstalled the Ubuntu distro using the command > wsl --install -d Ubuntu
  6. The Windows Subsystem for Linux instance terminated successfully.
  7. I verified that the distro is running as WSL 2 with the command > wsl -l -v